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THE ふぁみキャン

5人家族のオールシーズンキャンプ記録。

冬キャンプの難易度

   

さて、ウチも冬キャンプを始めて3年になるが、幸いトラブルが発生した事はない。
夏に比べて難易度が高いと言われる冬キャンプであるが、それは寒さのせいだろうか。寒さは風邪をひいてしまうかもしれないが、それならば夏は熱中症の危険がある。
アウトドアにおいて暑さ対策と言うのはタープを張るとか扇風機を持っていくとか程度で限りがあり難しいが、寒さと言うのは道具次第で快適にできる。

その為単純に気候対策だけなら冬の方が簡単かも知れない。まぁどちらも行く場所に大きく左右されるが。冬はこの道具を用意するのが金がかかったりして難易度が上がるとも言える。逆に夏は道具があっても暑いので諦めもつく。

冬場キャンプを快適する為にもっとも重要な道具として暖房があるが、コレの取り扱いを誤ると取り返しがつかない事態を引き起こすことがもっとも冬キャンプの難易度を上げていると言える。

電源サイトでなければ必然的に暖房はストーブになる。
ただ、薪ストーブにしろ、石油ストーブにしろ幕内においての使用は推奨されていない。いや、むしろ禁止に近い行為だ。密閉空間での内燃機関の使用は原則禁止なのである。
ストーブはエンジンではないが燃焼させている事に違いはない。
テントによっては、薪ストーブの使用を前提としたモデルもあるが、だからと言って安全が確約されたわけではない。
薪ストーブに関しては、排気が煙突から外へ排出される為、一酸化炭素中毒のリスクは石油ストーブに比べると低い。しかし、煙突はただ外に出せばいいと言うものでもないので、しっかりとした使い方をしないと、有効なドラフトがうまれずリスクが一気に高まる。
石油ストーブに関しては排気という概念があまりないが、実際には空気中の酸素が消費され、二酸化炭素などの排気が発生している。ほぼ完全燃焼している為一酸化炭素の発生量は微量だがあるにはある。ちなみに水分も発生している。

ここで一つ、テント内で練炭等ではなく、ストーブを使う際に最も気をつけなければならないのは酸欠だ。てか、テント内で練炭は相当危険である。コレはどんな理由があってもやめてほしい。

薪ストーブも石油ストーブもテント内の空気中の酸素を消費している。もし、外部から新たな空気(酸素)が供給されなければ燃焼に必要な酸素が足りなくなり、不完全燃焼を起こし始める。
ここで発生するのが一酸化炭素であり、燃焼機器で言えば、基本的には先に酸素欠乏状態になっていると言う事になる。

物が燃焼出来なくなる酸素濃度は大体18%未満くらいからと言われている。大気中の濃度は約21%。
酸素濃度18%と言うのは既に人体に影響を及ぼす危険領域である。
初期症状として目眩、吐気などを引き起こす。プロならば空気呼吸器を装着するレベルである。
この段階では一酸化炭素警報器は鳴動しないだろう。

最近はキャンプの情報サイトなんかでも一酸化炭素警報器を使えと訴えているが、一酸化炭素警報器が鳴動した頃には、既に酸欠状態である可能性がすこぶる高い。酸素がないから燃えられず、一酸化炭素濃度が上昇しねいるからだ。
つまりco警報器が鳴った時、既に酸素欠乏症になっており、動けないという事は十分に考えられるのである。

酸素不足となれば一酸化炭素の発生量も一気に増えるのでダブルでリスキーな状況に。

練炭や豆炭ならば燃焼時から一酸化炭素が常に発生しているのでco警報器が役立つだろう。
しかしストーブが対象となると話は別。 
持っていてムダにはならないだろうが、それより酸素濃度測定器で酸素濃度をモニタリングした方が安心だろう。理想はマルチガスモニターあたりを持っていく事だ。
いずれにせよ、こういった機器はそれなりに高価である。また、命を預けているモノでもあるので定期点検が必要となる。
それをしてない機器にどれ程の信頼性があるかは考えて欲しい。

ちなみに一酸化炭素中毒と酸素欠乏の症状は似ていると言うかほぼ同じ。よく聞く、目眩や吐き気がして、外に出たら治ったと言うのはおそらく、大半が酸欠である。

酸素欠乏は酸素を得られれば回復する事が多いが、一酸化炭素はそうではない。血液中に取り込まれた一酸化炭素が影響している上に、酸素よりも取り込まれやすいのですぐには改善しないのである。

コレも極めて軽度であれば外気で呼吸する事で改善する余地があるが、基本的には高濃度マスクなどでの酸素投与が必要になる。
つまり一酸化炭素中毒は酸素投与などの医療行為が必要であり、ほっといて治るものではないのだ。

キャンプ場や野営地においてこのような状況になった時、誰が救急車を呼んでくれるか、通報する時冷静に場所などを伝えられるか。

何故か各情報サイトでも、一酸化炭素の危険性には触れているが酸欠については触れていない。
事故事例などでも最終的な死因は一酸化炭素中毒かも知れないが、その前に酸欠に陥っているケースは多々ある。
昔の火炙りの刑も焼け死ぬというより、既に酸欠で意識を失う、もしくは心肺停止していたと言う見方が有力だ。
確かグラップラーバキにもこの酸素濃度を操るヤツがいたのを記憶している(笑)

いずれにしても、テント内での燃焼機器の使用は危険である事を十分に留意しなければならない。
この手の事故は自己責任というが、そもそも事故が起きてしまったらなんらかの法的な規制が入る事は十分に考えられるのである。
キャンパー側は個人なのでその規制を受ける事は現実考えにくいが、事業所であるキャンプ場は別だ。

テント内で燃焼機器を使っていないか見回りなんかがなされるような事態も引き起こしかねないのねある。

そんな事にならない為にも、一人一人がしっかり注意し、メディアや販売者は自己責任などと突き放さず、そのリスクをしっかりと教える必要がある。何故そうなるのかという科学的な視点からの説明も必要だろう。

個人としても、もちろん勉強する事をオススメする。前回大丈夫だったからとか誰かのブログやSNSで出来てたから大丈夫という考えは捨てた方が良い。しっかりとした根拠のもと、都度対策が必要である。
最低でも吸気と排気と言う換気の基本は抑えておきたい。テントについているベンチレーションがどれ程の機能しているかも把握してあればベストだ。

気になる人は酸欠・硫化水素危険作業主任者の技能講習を受けるのもアリだろう。

長々と書いたが、とにかくストーブをつけたまま寝る事は避けるべきである。
畳6畳の部屋で家庭用小型発電機を10分使用しただけで一酸化炭素濃度が致死量に至るというから、つけたまま寝たらそのまま起きない可能性もある。

基本的には酸素不足にならないよう配慮を続け、しっかりと吸気を確保する。時折出入口を開けて換気するよりも常に外部から吸気が保たれていたほうが安心だ。
実際、家に設置する薪ストーブでも、最近の高気密高断熱を考慮し、煙突とは別に吸気口を設置する場合もあるようだ。
ペレットストーブとなると、二重煙突の内側が排気、外側から吸気と言うのも多い。これらは室内の酸素を消費しない為だ。

また、酔っ払うほどの酒を飲むのも危険である。
換気の事をすっかり忘れるかもしれない。複数人いるなら、1人はシラフでいたい。

この手の事故は自己責任などで責任は取りきれない。多数の人に迷惑をかけるのである。

その事だけは念頭において正しく快適に使ってキャンプを楽しんでもらいたい。




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